不倫を叩くのは、嫉妬からなのか? 親父が不倫したときの経験から語ってみる。

 2週間ほどしか猶予がないのに何やってんだ、と自分でも思います。ただね、さすがに頭にきたのでブログを更新します。

 この記事で言及したいのは以下のツイートです。

  「個人の趣味にすぎないタトゥー」と「配偶者が不利益を被ることになる不倫」を同列に扱うなって言いたいんですが、それ以上に不倫を叩く理由を「自分がただ嫉妬しているだけ」と断言しているのが許せない。

 もう、悔しくて悔しくて、悔しすぎて涙が出なくて、腸が煮えくり返るような思いでした。

 僕のしたツイートがこれです。

 本当はこのツイートにぶら下げる形で、以下の文章をツイートしたかったです。あんまり言い過ぎてアカウントが凍結されると嫌だからやめたけど。

 この感情は断じて嫉妬ではない。
 腸が煮えくり返るような怒りだ。憎悪だ。
 不倫をするやつも、それを肯定するやつも、全てが憎い。
 不倫をするのも、それを楽しむのも勝手にすればいいが、それによって傷つけられたり、傷つく人が生まれるのは我慢ならない。絶対に許さない。絶対にだ。

僕の経験談

 ここらは僕の経験談です。

 とはいっても、僕にパートナーはいません。恋人だって生まれてこの方縁のない人生です。実家ぐらしだし、引きこもってるし、闘病生活送ってるしね、しょうがない。

 じゃあ、誰の不倫の話しかといえば、僕の親父の話しです。

 

 話しは遡ること10年あまり前のこと。

 実家のローンを完済し、銀行から親父へ新たな融資の話しを持ちかけられたころでした。 

 時を同じくして、どこからか金の匂いを嗅ぎつけた不動産屋が父に対して物件購入の話しを持ちかけます。その物件は家主が孤独死した事故物件でした。

 格安、投資に最適、すぐに買い手がついてしまう。親父は散々急かされて、母が事情を知ったのは、あとはハンコを押すだけの段階でした。

 

 事故物件を購入した後も、父の金の羽振りはよかったです。というのも、事業の運転資金のために、多めに借りたからです。

 ときは不景気。同業者は奢ってもらいたくてよってきます。社長、社長とおだてられてた父は気を良くして、それに答えます。

 

 そうこうしているときに、父方の叔母が倒れました。病院に担ぎ込まれたときには、骨粗鬆症のせいで背骨にヒビが入り、認知症も進行している状態でした。

 5兄弟の末っ子として生まれた父は上京後、婿入り。結婚時にも「母方の両親」になにかあったときは面倒をみる約束を取り付けていました。

 ですから、とくに何もしなかった。

 問題はここからです。父を除いたご兄弟の間で、叔母の処遇について話し合われました。世代ゆえなのか、老人ホームを姥捨て山といって、自分たちで介護をしようとしたそうです。ご兄弟のなかには「故郷の移住して世話をする」と提案する人もいました。だけど、奥さんが病床に臥され、それどころじゃなくなりました。独り身で身軽な人もいましたが、恋愛相談所を通して中国人の女性と文通のやり取りをして入籍したころだったので踏ん切りがつかなかったようです。

 結局のところ、お金も時間も人手もない。そこで、家業と呼べるものもないのに家長として育てられ、学費も上京費用も出してもらっていた長男さんが、老人ホームに入居させて面倒を見ることとなりました。

 費用は年金+持ち出し。安いところでよかったのに、見栄からちょっといいところに入れたようです。

 

 そして、です。繰り返しますが、ときは不景気。長男さんの家計も火の車、クビが回らなくなりました。

 ある日、父の故郷の老人ホームに入居していたはずの叔母は、僕の実家の前にいたわけです。片道うん10時間。ふざけるな。

 

 追い返す人手も足りず、僕や弟やおふくろの願いも叶わぬまま、引き取ることとなりました。親父は楽観的でした。ちょうど、事故物件を買った頃でしたしね。自宅の空き部屋はなくとも、「空き家」ならあるわけです。こうして親父は叔母と寝食をともにするため、別居ぐらしが始まります。

 ですが、この介護はすぐに暗礁に乗り上げます。

 お婆ちゃん、要介護認定が1だったんですよ。ということは、日中に介護士を呼ぶデイサービスが週の半分以下しか呼べません。親父が家を空けている間、誰がお婆ちゃんの食事を作り、面倒を見るのか?

 父は思いがけない人物に目をつけます。母です。母は父の仕事の事務作業をしている関係上、常に自宅にいました。暇に見えたようです。こうして、母はまるで通い妻のように自宅と事故物件を足繁く通うことになりました。炊事洗濯家事は2倍。それに加えて移動時間も必要になります。

 母はすぐに音を上げました。こうして、持ち出し(自己負担)でデイサービスの回数を増やすこととなりました。

 これで回るかって? 回りません。相手は認知症の老婆です。しかも、縁もゆかりもない大阪に連れてこられたんです。

 デイサービスの利用がなく、母が炊事洗濯家事を終えて家を空け、父が帰宅するまでのわずかな時間を突いて、お婆ちゃんは夜な夜な抜け出しました。

 親父は母を攻めるし、母は逆上するし、ほっとくわけにもいかないから疲労困憊なのに家族総出の捜索が始まります。夏の夜なのに馬鹿みたいに冷えるか焦るわけです。

 2度、3度ほど警察のお世話にもなりました。

 こうしている間に父の仕事にはミスが多くなり、赤字の仕事が増えました。赤字の仕事が増えると、支払いが遅れます。そうなると、マトモな人材は集まりません。

 今まで見たこともない顔ぶれが出入りするようになり、その中にシングルマザーの女性もいました。

 だからどうしたっていいたいわけじゃないです。死別かもしれないし、そもそも未婚かもしれません。ただ、バツが悪かったことに、その女性の子供は僕と同年代、同年齢の男の子だったんですね。

 なにかあるたび、当てつけのようにその子の名前を出すようになりました。僕にも、そして母に対しても。

 僕はクローン病です。だけど、当時は過敏性腸症候群と診断されて、そう信じていました。つまり、精神的なものってわけです。父は僕を気遣って創価学会の座談会につれていき、南妙法蓮華経を上げさせたりしたんですが改善せず。

 だから、その子の名前が出るたび、母の機嫌は悪くなっていきました。

 

 そんなころ、事件はおきます。そのシングルマザーの女性は日雇いの仕事で食いつないでいたことから、経済的に安定せず困窮していたそうです。息子さんは母を助け、自身も大学に通う費用を稼ぐために、学生ながらもバイトをしているそう。

 僕も頑張ってるな、大変だな、とは思っていましたが、都合よく事故物件から封筒に入った札束が消えます。

 父は憤慨しました。

「デイサービスのやつが盗みやがった!」

 頭ごなしに否定するつもりはありませんが、「親父」以外との人間関係は良好な人でした。そして、なぜ親父と仲がよくなかったかといえば、「叔母」の介護のためにきているのに「父」の身の回りの世話をするように要求していたからです。

「俺の部屋も掃除しろ」に始まり、「俺の服も洗濯しろ」「俺の飯も作れ」「俺の○○もしろ」はては「勤務時間内に仕事終わったなら、他にもなにかやっていけ」

 相手方の主張はシンプルで、「お父さんのお世話までは入っていません。別途お支払いいただかないと」。

 僕としては異論はないです。

 ですが親父は納得しませんでした。

「なめやがって」「態度が気に食わない」「偉そうに」「嫌ならやめろ」

 親父も叔母の世話が大変で、ストレスが溜まっていたのかもしれません。そしてそのはけ口を見つけ、エスカレートしたのかもしれません。

 そこへきての、窃盗疑惑。さすがに言いすぎだ、という話しになり、人を変えてもらうことで、親父には納得してもらいました。

「あなた、新聞の束の上にでもおいてたから、(間違って札束を)捨てられたんでしょう」

 母は遠回しに、父の管理不行き届きを諭していました。

 

 これだけなら、デイサービスの絡んだ揉め事で終わりました。ですが、事件は続きます。親父が飲み屋の帰りに封筒に入った札束を落としてきました。

 母はこれにも「無理だと思うけど、警察に届け出だけは出しておいたら?」と言いました。

 それでね、次は自宅から封筒に入った札束が消えたんです。

 親父は憤慨します。ふざけるな、と。

 怒りの矛先は僕や弟に向きます。

「なに買いやがったんだ?」と。特に僕への口撃は強烈でした。なにしろ、体調不良で学校に通えず、自宅に引きこもっていましたからね。盗むチャンスはいくらでもあります。

 ですが、こっちだって言い分があるんです。10万も20万もくすねてモノかったら、すぐわかるだろう? と。そもそも、それは生活費であって、くすねて日々の生活費に困るのは同じなんだぞ、ってね。

 弟にいたっては、ついに親父と会話を交わさないようになりました。そして、親父の口をつく、~のところの子は、という言葉。

 母はキレませんでした。ただただ、呆れてました。

 事故物件の返済、叔母の介護費用、「紛失し続ける札束」、赤字の仕事、弟の中学受験に伴う諸々の費用。全てが全て、家計を困窮させていきます。

 そして、止めです。

 シングルマザーの女性の親戚の娘さんがバイトを探していたらしいんですよ。らしいんですよ。らしいの。

 親父は気前よく雇ったんです。

 直後に現場で尻に手を突っ込んだとか、手を出されたとか揉め事になって、示談金が必要に。

 このときばかりは「さすがに違うんじゃないか?」と母は言いました。

 母はもうその女性と縁を切るように進言します。すると、向こうは社員でもなんでもないのに退職金を要求。母はなんとしても関係を断つ一心で、母方の実家に頭を下げに行ってお金を工面してもらいました。

 そして翌年、そこには父の職場で元気に働くあの女性の姿が! まぁ、飲みに行ったきり帰宅しないこと多かったしね。しょうがないね。

 

 なにが言いたいかというと、ふ・ざ・け・る・な。なにが「不倫を叩くのは嫉妬」だ。「自由に振舞ってる人間が羨ましくて許せないだけ」だ。個人の身だしなみにあーだこーだ口出ししているタトゥーとはわけが違うんだよ! こっちは全身全霊を込めて軽蔑し、批判しているんだ。

 それを嫉妬だといわれた日には腸が煮えくり返る思いだね。赤の他人の書き込みにここまでブチ切れたのは初めてだよ。

 不倫をすること、そしてそれを肯定すること、そして、そして、その行為への反発を嫉妬と切り捨てることで精神崩壊おこしそうになる人間がいることをどうか知ってほしい。

 「許せない」じゃない。「許さない」だ。