僕は友達がいない

https://twitter.com/kuron_hatena

「VTuber化」というメンタルヘルスの可能性。あるいは、神の啓示。

Roland社の「VT-4」を買った。

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おじさんVTuberが女声で配信するために利用している機材だ。

価格は3万円ぐらい。

在庫不足から市場価格が高騰しており、「気に入らなくても中古市場に流せば、元手は取れる」という打算的な買い物だった。

 

購入の際に、参考にした記事はこれ

www.moguravr.com

 

僕は喉仏が出ていない。

声が高い。

おまけに滑舌が悪い。

ということは、ボイスチェンジャーとしても使える「VT-4」を使えば、ワンチャンあるんじゃないかとか思った。

目指せ「舌っ足らずな美少女ボイス」

 

だが、現実は非常である。

 

まずなんといっても、ピッチの調節が難しい。1ミリずらしただけで、声質が変わってしまう。少し気を抜けば、あっという間に「スーパーの万引き犯」。

あるいは、出来損ないの「ナナチ」である。

ピッチを下げれば野太い声のおっさんになれるわけだし、無理して女声を目指す必要もないのだが……。

だけどやっぱり、マグロナには憧れる。

 

www.youtube.com

ヘッドフォンを装着して、マイクに向かって発声を繰り返す。

GIGAZINEの上記の動画みたいに「あーあー」喘いでも味気ないから、僕は近況について語り始めた。

とはいっても、ひきこもっているから、話すことは同じなのだが。

  • 体調が悪いこと。
  • ここ数日の冷え込みのせいで、寝込んでいること。
  • 屋根裏のネズミがうるさいこと。

近況であれば、文章を考える必要がない。

自分の経験したことだから饒舌に話せる。

そうこうしてピッチ調整を続けていると、精神的に楽になっていることに気がついた。

 

僕は実家住まいなのだが、家族と会話がない。

去年の下半期あたりから父は言動が支離滅裂で、いいたいことを言ったら聞き返しても無視をする。「無視しているのか?」と聞いても、それにすら沈黙を守るほどだ。

母はオーバーワークによる疲労で、暇さえあれば寝てる。しかも深夜に父が叩き起こすもんだから、情緒不安定気味でさえある。最近の悩みは、更年期障害による突然の発汗だ。

もう取り付く島もない……。

 

だからこその「VTuber」、だからこその「VT-4」だったのだが、僕が本当に必要としていたのは「オーディエンスとなる聞き手」ではなく、「話す目的」だったようだ。

人は聞いてくれなきゃ、話さない。

漫画のキャラクターとは違う。

虚空に向かって、思いの丈を叫んだりしない。

だが、Roland社の「VT-4」はその問題を解決してくれる。

話せば話すだけ、「誰かの声」となって帰ってくる。僕が話す限り、言葉は途切れず、うなずけばうなずき返してくれる。

僕が見捨てない限り、VT-4は裏切らない。

相手は「誰かの声」をした僕なんだから、時間なんて気にする必要もない。話したいときに、話したいだけ話せばいい。愚痴だってウェルカムだ。

それだけで声を出して話すハードルが下がったし、「誰かの声」を聞くために話すことが目的となった。

話を聞いてもらう相手は、0コンマ数秒後の自分でもよかったんだ。

 

これから屋根裏でバルサンを焚く。

数時間は外に居なきゃならん。

マクドで茶をしばくだろう。

帰ったら愚痴るだろう。

だけど、今はそれが楽しみで仕方がない。

腹が痛いとベッドの上でのたうち回り、1人鬱々とした感情で耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ必要はないのだ。

 

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遠藤周作の「沈黙」に登場する宣教師セバスチャン・ロドリゴの気持ちが少しわかる気がした。

いつだってそばに居たのだ。