クローン病なADHD

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「夢見がちで穴だらけの『VRジェンダー論』と『性別の超越』という幻想」という記事へと雑な反応。

lacenaire.hatenablog.jp

LGBT」を汎用的な性的少数者を指す言葉と解釈して「アバター時代の恋愛はお互いを女の子と思いつつ好きあってるので性的少数者の括りでは語れない」と解釈しましょう。こう書き下すと「それって本当にそうか?」となりませんか。「女性の表象を纏って、お互いに相手の女性の表象を好いてる状態」は「レズビアン」あるいは「トランス」の括りからそう外れたものなのでしょうか?僕は全く異ならないと思います。

※太字による強調は僕がやったもの

 

「全く異ならない」の意味がよくわからない。

女性のアバターを利用しているからといって、性自認が女性だとは限らない。

外野の人間から見た場合は「レズビアン」あるいは「トランスジェンダー」の関係性に見えるのかもしれないけどさ。

 

僕はこの記事を読んだときイラッとしたんだけど、それはきっとMMOプレイヤーだからだと思う。

MMORPGではロールプレイという遊び方が存在する。

ゲーム内の特定の人種や職業になりきって立ち振る舞う遊び方だ。わかりやすくいえば、「猫耳キャラを操作して、語尾には必ずニャをつける。」みたいな。

当然だけど「男だけど女キャラを操作して、女になりきって遊ぶ」みたいなロールプレイもある。

ただし古い言い方にはなるが、それを「ネカマ(ネットのオカマ)」と呼んで区別しようとする人もいる。それはロールプレイの範疇を外れて、中の人の性別を強調することで便益をはかろうとするプレイヤーがいたからだろう。

 

それらとは別にロールプレイとは関係なく、男だけど女キャラを使ったり、女だけど男キャラを使うこともある。

MMOの場合、キャラクターの後方視点から操作することが多いので、「同性の尻を見ながら1000時間プレイするのは辛い」という理由もあれば、「いいと思ったキャラが異性だったから」みたいな理由*1もある。 

彼らがゲーム内で自分の性別について言及することは少ない。

ネカマと違ってプレイヤーの性別について言及することで利益を得ようとする動機がないってこともあるし、日本語圏のユーザーはボイスチャットに対して異常なほどの嫌悪感を示すので、あえて言及することがなければ、あたかも「シュレディンガーの猫」のように、観測するまではどちらでもいられるからだ。

そしてその状態は気楽だ。

 

僕はMMOプレイヤーだったから、最初のツイートをそのような関係性の中での恋愛だと解釈した。

だからこそ、うんうんと頷いた。

 

これは実体験なんだけど、かつてとあるタイトルのMMOを遊んでいるとき、中のいいゲーム内のフレンドから「ゲーム内で結婚しないか?」と誘われた。

僕は困った。

というのも、僕のキャラは異人種の女。

相手はさらに別の異人種で男。

そして僕に対して「風俗の利用歴を赤裸々に話すほど」打ち解けている???

「男キャラと結婚するのもなぁ」と思い、ゲーム内の別のフレンドにどうするべきか相談した。

すると「あのひと女性っぽいから、ゴタゴタはおきないと思う*2」と助言を受けた。

いわく「風俗に通っている」アピールはしているものの「女友達の話し相手が欲しくて通っている」だとか、「お金は払っているけどなにもしていない」とか話しているという。そしてアイドルの追っかけ歴やプレイ時間帯を勘案するに、主婦または実家ぐらしの家事手伝いではないか?とのことだった。

ネカマプレイをするような人*3ではなかったので、女性だと推察されるような情報を撒き餌するメリットは特に無い。

なるほど確かに説得力はある。

 

一方で別の問題も僕の中で浮上した。

操作キャラの中の人が女性だからといって、男キャラに彼氏面されるのは嫌じゃないか?(生理的嫌悪)

だけどやっぱり、彼(彼女)の期待を裏切るのは申し訳ないし、女であることをロールプレイするのは骨が折れそう(マリッジブルー

というか、このゲーム同性婚禁止している(仕様上できない)し、このゲームを愛するプレイヤーとして倫理的にどうなんだ?(開発チーム至上主義)

などなど。

周りはどうしていたかというと、「記念に」とか、「流行っていたから」とか、「運営チームのスタッフと話せると聞いたので」とか様々。一言でいうと、「どうでもいい」と言った感じ。

この「どうでもいい」という空気感はのちにリリースされた「FF14」というMMOでもプレイヤー間で共有されていて、ゲーム内で同性婚に相当する「エターナルバンド*4」というシステムが実装された際、同性婚ができる仕様に反対している人は見かけなかった。(パートナーが見つからないプレイヤーは、それを実装するリソースを新規ダンジョンの制作につぎ込んでほしい、と怒っていたが)。

 

長くなったけど、冒頭の記事のタイトルでは「『性別の超越』という幻想」と触れられているが、実際は超越というより、「どうでもよくなる」と言った感じだと考えている。

自分やパートナーの性自認はどうでもよくなる。

僕は子供の頃に「性別なんて関係ない」みたいなキャッチコピーを見かけたんだけど、あれは自分の性自認性的指向を受け入れた上でポジティブに捉えようとするものだったと思う。

だけど、それが文字通り関係なくなって*5、しかも「物理的で身体的な接触」すら必要としなくなったら?

LGBTの運動を見ていると、自分自身の性自認性的指向に誇りを持っている人が多いように思う。

そして記事内で触れられているLGBTの後者の用法と照らし合わせても、困難になってきた感があると僕は思ったんで、なんとなく書いた。

言葉とはその都度必要に応じて拡張されてきたものなので、LGBTに当てはまらなくなってきたと感じるなら新しい言葉を作ってもいいと思うし、それを否定することもないと思う。

*1:MHFモンスターハンターシリーズのオンラインゲーム版)では女性キャラのほうがローディングが短くなる、みたいな話があって、弟は女性キャラを使っていました。

*2:結婚したあとに同性だと判明し、ギスギスすることを考慮しての発言

*3:基本ソロプレイなので、女性だとアピールしても貢いでくれる人もいなければ、囲ってくれる有志もうまれない

*4:なお式に際して面倒なクエストが存在するうえに、豪華な引き出物を用意しようとすると現実社会におけるお金(リアルマネー)がかかる。そして離婚できない。

*5:性自認が男でも女でもない人のことをXジェンダーと呼ぶらしいけど、それとも違うよね